#29 夏休みの課題図書読んでみた! その3 (本)
夏バテ寸前で頑張っている筆者、ほーすけです。
皆さん、いかがお過ごしでしょうか?
学生の方は、学生の三大権利の一つ、夏休みが目前。
ハッピーになっちゃいますね!
学生さんの幸せを支える為に今日も沢山の大人たちが散っていきます。
はい、ようやく読み終わりました。
直近で読んだ本が、小学生向けと中学生向けだったので
妙に文字が多く感じちゃいましたね。高等学校の部
今回紹介するのはこちら
ストロベリーライフ 荻原 浩 著
いやぁ、重みを持ってる!
これは完全に個人的な話ですね(笑)
「くろねこのどん」「ホイッパーウィル川の伝説」
がなかなかにファンタジー色だったので、現代日本が舞台になった本作は
すごく現実的な重みを持っている印象を受けました。
感想文は「鬼の様に描き易い」と思います。
登場人物達の変化や成長、家族の在り方。そして農業。
と、自分の意見を述べやすい材料がてんこ盛りです。
課題図書がどうとか関係なく面白い一冊でした。オススメします。これは。
(以下、内容に触れていきたいと思います。)
「農業は大事、でも自分はやりたくない」
いやぁ、痛いですね。ナイフでぶっ刺される致命的な痛みじゃなくて、
魚の骨が喉に刺さった様な、リアルで生活感のある痛み・・・
登場人物達の人間ドラマな訳ですが、今の農業周りのシステムに
一石を投じている物語ですね。
何も農業だけでなく、ひずみを抱えた業界は沢山あるんですよね。
その内側にいる人達はこれから先をどう生きていけばいいのか?
何を変えて何を残せばいいのか?
そんな事も考えさせられる一冊じゃないでしょうか?
と言いつつも、本題はやっぱり主人公、恵介の成長と家族の絆ですよね。
実家の農家を継ぐ事を拒否して東京でグラフィックデザイナーとして独立した恵介(閑古鳥が鳴いて、困り果てている所から物語は始まります)は父親が倒れた事をきっかけに実家に戻り、半強制的に農業の手伝いをやらされます。
自分が見放したとたんに目の前のいちご達は死んでしまう・・・
農業から手を引くタイミングを失った恵介は少しづつ、いちご作りの魅力を知って・・
てな話ですね。
恵介が農業を始めた事によって、周囲の環境や人が少しづつ変わっていきます。
問題があっても、目を背けずに向き合えば解決できる。
そんな声が聞こえて来るかの様に、みんなは成長して、最後は大団円。
いやぁ、やっぱりフィクションはこうでなきゃ!(夢を壊す発言、失礼しました)
それに、脇を支える登場人物達が「生きてる」ので、お話の中の空気感
を間近に感じます。
いい小説はみんなそうですよねぇ。
「諦め」や「執着」みたいな後ろ向きの感情では決していい結果は付いてこない。
自分にとって本当に大切な物の為に全力を尽くせば、必ずなんとかなる。
そんな風に思えるお話です。ほっこりと前を向く力をもらえました。
(やっぱり最近こうゆう話、流行ってますよね??)
感想文は描き易く、なおかつ書くテーマの選択肢も多い、課題図書としては
ベストなチョイスだと思います。
高校生向けって事になってますけど、大人にも読んでもらいたいです。
ぜひぜひ。農業も、ぜひぜひ。
高校生のみんな!夏休みだからって悪いことはすんなよ!
じゃあな!